その言葉は、きらい。
それは負の言葉。あなたのためにはならない。たとえそれでお金をもらえたとしても。
あなたの言葉を書いて。
あたしに、あなたの言葉を、書かせて。
そのためにあたしは、あなたの手の中にいるのだから――
◇◆◇ 筆 跡 ◇◆◇
駅前の本屋さんの文具コーナーで、あたしはあの子に会った。
毎日あたしの前に来て、毎日長い時間あたしたちのことをみつめていた。手にとって、書いてみて、またもとの場所に戻す。ただそれだけを、何日も繰り返していた。
毎日、仲間がひとり、またひとりと連れて行かれた。そうするのは小さな子どもだったりお年寄りだったり仕事の途中で飛び込んできたビジネスマンだったり。彼らは判で押したように、同じ行動で仲間を連れて行った。あたしたちをろくに見もせず、ただ目の前にいただけの理由で手にとり、ちょっと試し書きをし、たまにからだの色で選びなおされることもあるけれど、だいたいはみんな最初に手にとったのをレジに連れて行き、そのまま連れ帰った。
あたしは。
ときどき手にとられることもあったけど、でも、どうしてだか、もとの場所に置かれた。
仲間のなかで、あたしだけ見劣りしてるの?
そんなはずはない。
見た目、みんなおんなじだもの。姿かたちは、みんな一緒。ただ、からだの色がそれぞれ違うだけ。
毎日たくさんの仲間が選ばれてレジに消え、また、同じ数だけ新しい仲間が補充された。
あたしたち。
100円のシャープペンシル。
工場で大量生産されたあたしたちは、10本セットで箱詰めされて、いろんなところを通っていろんな場所へ到着する。最終的に小売店に行き着いて、そこから消費者の手に渡る。
暗い箱から出されたあのとき、明るい店内がまぶしかったのを覚えている。
いったいどんなひとがあたしを選んでくれるんだろう――。
そう思い、期待や不安がごちゃまぜになったおかしな気持ちをはじめて体験して。
駅前にあるこの本屋さんは、毎日8時にお店を開ける。夜は11時まで。開店と同時にひとが入り、それは閉店までおさまることはない。
あたしは、毎日それを眺めていた。
目の前を過ぎる大勢のひとと、たくさんの時間と、音と、光と……そして。その日が来たのだ。
* * *
その女の子は、最初からあたしたちの棚へまっすぐに歩いてきた。あたしたちを見るためだけに、お店に寄ったことがよくわかった。濃紺の襟に臙脂の2本線が入ったセーラー服。やわらかそうな栗色の髪をきりっとポニーテールにまとめ、同じようにきりっとした涼やかな瞳が、まっすぐにあたしたちをみつめた。
目が、あった。
その子は、迷わずあたしを手にとった。
右の掌にのせてくれ、すみからすみまでじっとみつめてくれた。
次いで、左の親指と人差し指でそっとからだをもってくれ、光にかざしてくれて。
そう。透明グリーンのあたしのからだは、そうされると一番きれい。もっと近くに寄って、向こう側をのぞいてみて。きれいでしょ、透明なみどりに映る駅前通り。
しばらくそうして、そのうちに右手にあたしを持つと、試し書きをしてくれた。
くるくると、丸を書いて。なみなみの線も描いて。「あ」って書いて。
書き味には、自信があるの。滑らかでしょ?
また、目があった。
けど。
その子は、あたしを棚に戻してしまった。
それからしばらくあたしをみつめ、やがて意を決したように店を後にした。
なんなのよ。
なんだったのよ、いまの。
* * *
ところが。
翌日からこれが日課になってしまった。
とにかく毎日、その子はあたしのところへ来た。
どうしてわかるのかはわからなかったけど、大勢の仲間の中から、その子は毎日間違いなくあたしを手にとった。
みつめて光にかざし試し書きをして棚に戻す。
これを毎日繰り返した。
何日も何日も。
セーラー服が、白に替わった。白い襟にブルーのストライプが清々しい。
でも、あたしはちっとも清々しくなかった。
毎日試し書きだけされるなんて、どこが清々しいわけ?
それでも。
いつしか、その子を待っている自分に気がついた。
* * *
ある日、いつものようにあたしを手にとったその子は、光にかざすことも試し書きをすることもせず、まっすぐレジに向かった。
* * *
あたしは、その子のものになった。
あたしの、ご主人さま。
ご主人さまがあたしではじめて書いたのは、自分の名前。白い答案用紙に、きっぱりした筆跡で、くっきりと。
きょーちゃんは、中学3年生。おとーさんとおかーさんと弟ときょーちゃんの4人家族で、きょーちゃんには今度受験とかゆーのがあるらしい。きょーちゃんは、そのためにあたしを買ったのだ。試験会場には連れて行ってもらえないらしいけど、買ってくれたその日から、きょーちゃんはずっとあたしを使って勉強してくれている。
あたしは。
とっても嬉しい。
数え切れないくらいの言葉を書いて、数え切れないくらいの線や点を描いて、学校でも家でも、ずっとあたしを使ってくれている。
夏休みっていうのがきて、夏期講習とかいうのもあって、そこにもきょーちゃんはあたしを連れて行く。
「恭、やっぱ條南受けるの?」
「私立はねー」
「倍率高いじゃん」
「公立、桜木だもん。落ちたら困るでしょー?」
「桜木落ちるより條南落ちる確率のほうが高いよ」
「やだあ」
「ねえ、そのシャープ、いい色ね」
「うん。迷ってたんだけど、これにしたのよ」
「あ。もしかして例のジンクス?」
「そうなんだけどさー。でも使ってると愛着湧いちゃってねー」
「受験のために買ったシャープで勉強して、受験後いつのまにかそのシャープが行方不明になったら必ず合格する――ってさ。いったい誰が言い出したんだろうね、これ」
「誰でもいいけどさー。でも、使ってるとなんかね」
「なくなるのが惜しいですか? 合格はしたいけど?」
「そう」
「あんた、道で蹴飛ばした石にも愛着抱く女だからね」
「いいじゃんっ、情が深いんだよ、あたしは!」
「別に悪いとは言ってないよー。かわいいヤツ」
「もお、あたしだけ受かってやる」
「條南に?」
「桜木にだよっ!」
「よしよし。愛いヤツじゃ」
受験というのは、大変らしい。いろんな数式や化学式や古文や英文、年号に記号に数え切れない言葉。それをあたしは、きょーちゃんのために書いていく。
一日に何度も芯を入れてもらうけど、それも追いつかないくらいにどんどん書いて。
嫌じゃない。むしろ嬉しい。
きょーちゃん。
あなたが書くのは、あなたのためのあなたの言葉。
だからそれがどんなに難しくても、どんなに大変でも、あたしはあなたのために書く。
あたしは壊れてしまってもいい。
きょーちゃんが、合格できるなら。
* * *
桜が、きれいだ。
この店の窓からは、毎年のんびり花見ができる。
だから、春はいつも、ここを仕事場代わりに使っている。
本当はアンティークショップだけれど、店主の気まぐれで入れる紅茶がなかなか評判で、店の奥の一角はいつのころからか喫茶室になっている。その隅のテーブルを、仕事場代わりに使わせてもらうようになって、これで3年になるはず。
あたしは。
3回目の桜を見ながら、原稿用紙を埋めていた。
きょーちゃんは、無事に志望の公立高校に合格した。あたしは、一緒に喜んであげることも、おめでとうって言ってあげることもできなかったけど。
なぜって?
きょーちゃんが合格の通知を受けているころ、あたしはすでに彼女のもとにはいなかったから。
シャープペンシルの合格ジンクス。
誰が意図したわけでもない。けど、それはどうも本当だったらしい。受験が終わったとたん、合格発表前に、あたしはきょーちゃんのところから迷子になってしまった。あとでわかったけど、受験が終わった安堵感で、きょーちゃんは図書室にあたしを忘れたのだ。そこから、あたしは二度と彼女のもとに帰ることはなかった。
あたしの今のご主人さまは、木内(きのうち)倭(やまと)という。一応の小説書きだ。あたしは毎日、彼を手伝って原稿用紙を埋めている。実は、彼はきょーちゃんの同級生。図書室であたしを見つけたときも、すぐに持ち主がわかったらしい。けど、倭はあたしを返しそびれた。機会がなかったわけじゃない。そんなもの、ごまんとあった。だって、同じ校区で、同じバスで、しかも高校3年間、同じクラスだったもの。目の前にいるんだから、いくらでも返せたはず。それなのに、倭はそれをしなかった。というか、できなかった。
あたしは、理由を知っている。
そんなに積極的な性格ではないことも一因にはある。けれど、これは倭自身が解決すること。あたしにはどうしようもない。
そんな倭は、高校2年のときとある文芸雑誌の新人賞佳作で文壇デビューした。去年高校を卒業し、家業を手伝いながら文章も書いている。ただ、まともな仕事はそんなにないけどね。倭が文章書きを続けているのは、ペンネームで書いている別口が売れているから。それが倭の生活をわずかながら助けていることは、あたしにもわかる。でも、あたしはこの仕事は好きじゃない。ポルノって、知ってる? あるいは、ボーイズラブ小説、とか。お耽美もの、ともいうけど。ジャンルに貴賎はないと思うけど、あたしは倭にはそういう仕事はあまりしてほしくない。倭の言葉は、あれじゃない。それだけは、あたしにもわかる。最初そういう仕事を引き受けたとき、あたしは倭に反抗した。
ぐれてやる。
そう思い、それまでとはかけ離れた言葉を書き綴る倭に、あたしができ得るありとあらゆる方法で対抗した。
でも、人間ってのは強い。シャープペンシルがぐれても、そんなもの通用するわけがなかった。原稿書きのときはあたしをメインに使ってくれている倭だけど、ぐれたシャープの代わりなんざごまんといるのだ。結局、あたしは折れた。ぐれる(意味もなく芯を折ったり、詰まらせたり、ひっこめたりする)のをやめ、倭の思い通りの文字を綴った。それは、ある一文のせい。倭本来の、倭自身の言葉で書かれた、一行。あたし自身が記した、筆跡。
それが、すべてを語っていた。
そうして、あたしは今もこうして文字を書いている。
マスターが入れてくれた紅茶が冷めても、原稿用紙は半分も埋まっていなかった。
あたしは、倭が書くとおりに文字を記した。
そこで、手がとまる。見上げると、倭はじっと窓の外の桜をみつめていた。
あたしは、知っている。倭がなにを考えているのか。
「倭くん、締め切り?」
「いいえ、これはまだ……。でも、早めにやっつけたいので」
「あっちの名前の仕事か」
「そう。やめたいんですけどね、ほんとは」
「やめればいいじゃないか」
「そう簡単には。それはそうとマスター、あのイルカのペンダント、売れちゃったんですか」
「ああ、残ってたほう? この前、僕に会いに来てくれた子がいてね。その子が自分のもってるペンダントとよく似てるからって買ってくれたんだよ」
「マスターに会いに?」
「僕の写真を見に、ね」
「そうなんだ……」
「もしかして、気に入ってた?」
「そういうんじゃないけど。あれが似合いそうなひとを知ってるから……」
「そうか。そういや、その子もそんな感じだったな。海の写真を撮ってるんだってさ。それで、フレームを見たいってうちに寄ってくれた」
「海の、写真?」
「可愛い子だったよ、自転車で颯爽と登場したんで最初は面食らったけどね」
「近所のひとですか?」
「それが、駅5つ分の距離をマウンテンで来たっていうじゃないか。なんだかあったかいものをもっていて、つい商売っ気をだして被写体になってもらってさ。写真あるよ、みるかい?」
「……ええ、よかったら」
写真。
卒業式以来の、なつかしいその笑顔。
桜舞うなか、駅へ急ぐ倭の手にはその笑顔があった。
マスターお手製のフレームにおさまった、きょーちゃん。
倭は、家にはもどらずふた駅手前で電車を降り、そこから出版社に電話をかけた。相手は、お耽美小説の担当さん。
そして。
倭にはめずらしく、強気で話を押し通した。
* * *
ミチコさんが、来てる。ヒロくんと一緒に。具合が悪いんだろうか。そういえば、元気がない。
ミチコさんがみっちゃんをご主人にしてから、これでどのくらいたつんだろう。きょーちゃんがここで銀色マウンテンを買ってもらうまで、ミチコさんのご主人はきょーちゃんだった。
ミチコさんを診ていた倭パパがみっちゃんになにか言い、みっちゃんは神妙な顔で何度かうなづいて。そうなんだ。やっぱりミチコさん、具合が悪いんだ。
結局、ミチコさんはうちでお泊りになった。みっちゃんは倭パパにぺこんと頭を下げて店を出た。ヒロくんを押したひろみちゃんが、そのあとに続く。
倭はその光景を、店の奥のカウンターで帳簿整理をしながら見ていた。なので、当然あたしもその一部始終を見ていた。
うち――木内サイクリング。
倭の実家は、自転車屋さん。ミチコさんもヒロくんも銀さんも(あ、きょーちゃんの愛車をあたしは勝手に「銀さん」って呼んでる)、みんなここの出身。相田家きょうだいにご奉公して長い月日が過ぎるミチコさんは、そろそろ相当疲れた様子になっている。チェーンの具合が芳しくなく、ブレーキにもガタがきはじめているらしい。あたしは相田家にいたわずかな間に、ミチコさんや銀さん、それに、みっちゃんのガールフレンドである高瀬の弘美ちゃんの愛車ヒロくんとお友達になっていた。だから、ミチコさんの容態は、とても心配。
居間で電話が鳴り、倭パパが奥にひっこんだ。
倭はカウンターを立つと、ミチコさんの横に立った。
そのとき。
軽いブレーキ音と、続いての足音。
「ごめんなさい! お代金!」
「……相田」
「うわあ、木内くん! すごい久しぶり! お店番?」
「……うん。それよりおまえ、どしたんだ? 慌てて」
「あ、うん。いまうちの弟が来たでしょう」
「ああ。いまさっき帰ったよ。コレはうちでお預かり」
「やっぱりー。もうあのバカ、財布忘れていったのよ。お金持たずに修理できるわけないのに。ごめんね、いくらかかったの?」
「いや、まだなんだ。ちょっと本格的に見直さないといけないらしくて、それで預かったんだよ。代金未払いのカタにしたわけじゃないから」
「え? そんなに悪いの? もう寿命?」
「そうじゃないとは思うよ。ふたりともすごく大事に乗ってくれてるから、まだまだいけるって」
「ふーん……。木内くんでも、そんなのわかるんだ」
「わかるよ。一応はあととりだからさ、見る目だけはつけてるつもり」
「いいなあ、かっこいい」
「は?」
「未来の大作家なのに、家業は捨てないんだ」
「どっちになにがあっても、食いっぱぐれない用心だけはしようかと」
「あははっ、そりゃいーや! そんじゃ、とりあえず自転車屋さんのほうに5000点」
「いいよ、いくらかかるか今の段階じゃわかんないからさ」
「だいじょーぶ。帰りに大作家に1200点かけるつもりで多めにもってきてるんだよ。だからその五千円、前金で預かっといて」
「1200点、って……」
「新刊、でたんでしょ? ひさびさ、木内倭って名前で。買ってくるから、サインちょうだいね」
きょーちゃんは五千円札を倭に預けると、銀さんに乗って颯爽と去っていった。そのうしろ姿が見えなくなるまで、倭は店の前に立っていた。
倭。
いまだよ。
いまのその気持ち。
あたしを持って。あたしで書いて。
あなたの、ほんとうの、言葉を――。
* * *
なつかしい声が聞こえる。
「なんだよ姉貴、なんかうれしそーじゃん」
「えへへー。貴重品を奪取したのだよー。おめーにはわけてやらんぞ、弟よ」
「いらねーよ」
「あーら強がり」
「わけわかんねーもんはいらねーんだ」
「新鋭作家木内倭渾身の新刊! しかもサイン本だ」
「うそっ! 倭先輩ってサインしねーんじゃ……!」
「ふふふ。だから貴重だとゆーておろー。木内倭センセーに1200点かけて、正解したのだよー」
「なんだよそれっ。頼んだら俺にもくれるかな、先輩」
「あんたは篠沢教授にかけたんだろ? 全部」
「そんな捨て身な行動、やってねーっ」
「ダービー勝者の恭子さまが、元同級生のコネを駆使して木内センセに頼んでやってもよいぞ。修理代、自分で払うなら」
「…………考えさせてくれ……」
苦悩しながら自室に向かったみっちゃんを笑って見送り、きょーちゃんは本に添えられていた封筒を手にした。
「なんだろな。おまけかな?」
ひとりごとはきょーちゃんの小さな癖。
かさかさと音がして、暗がりにぽっとひかりが見えた。
「……えーーーーっ!!? なんでえーーーーーっ!!?」
素っ頓狂な、叫び声。
慌てた様子で便箋をあける音が響く。
沈黙が、続く。
どのくらいときが過ぎたのか――やがて、きょーちゃんは便箋を置くと、封筒を大きく開けた。
そして。
「――おかえり……」
あたしは、なつかしいきょーちゃんの手の中に、戻ってきた――。
* * *
「そう! いいお買い物されましたね、最新型でこのお値段! アフターケアーもばっちりさせていただきますので、今後ともご贔屓に。ありがとうございましたあ!」
最新型のマウンテン・金ちゃん(仮称)を連れて、お客さまが店を出て行った。そのうしろ姿に、最敬礼を贈って――いたが、やがてそのままで不気味な含み笑いが。
「……うへへへ……自分の商才に驚くぜ……。今週これで10台目だよ、うきょきょきょっ」
「たしかにそれは認めるけどさ。どーでもいいけどやめなさい、その笑い方」
「うほほーっ」
「……お恭」
高笑いしながら、きょーちゃんはあたしを手にとり、売上帳にチェックを入れる。
「いいかげんバイトから正社員待遇に格上げしてくださいませんこと? 倭センセー」
「僕だってバイトだよ、まだ」
「本業どっちにするのか決めなさいよ。だからおじさまもバイトにしてるんでしょー?」
「そうだけどさ」
「――書いてていいよ、倭は。お店はあたしに任せな。もしどこの出版社からも見捨てられたとしても、あたしが養ったげる。それだけの価値があるよ、倭が綴る言葉には」
「恭子……」
「もっと書いて、このシャープで。これが縁結びなんだからさ、あたしたち。もっともっと使ってあげて。きっと喜ぶ、こんなふうに」
そう言うと、きょーちゃんはそばにあったメモにこう記し、倭に手渡した。
メモには、ひとこと。きょーちゃんの、あの筆跡で、くっきりと。
倭の目が、まんまるになる。きょーちゃん、破顔一笑。
ドアチャイムが、来客を告げる。
「いらっしゃいませー!」
あたしの記したメモが、倭の胸のポケットでくすりと笑った。